世界映画紀行 - World Express Vol.9

ネパールで映画「キャラバン」鑑賞 

See "Himalaya, L'Enfance d'un Chef" in Nepal

文と写真:hana

Text & Photo by hana

(2000/11/20)

 


お待たせしました! 「世界映画紀行/World Express」第9弾は、ネパールからお届けします。2001年お正月映画として話題の作品「キャラバン」を現地ネパールでいち早く見てきた貴重な体験を、神奈川県にお住まいのhanaさんが伝えてくれました。今まさに旬のレポートをぜひお読みください!


 初めましてhanaです。今回は私がネパールで体験した映画館の話を紹介します。

 私は1999年12月23日〜2000年1月2日までエベレスト街道のトレッキングの旅をしてきました。世間ではY2Kなどと旅行を控える中、山歩きの好きな友人に誘われ生まれて初めてのトレッキングを何とエベレスト街道で経験してきました。

 幸いにも私は友人の適切なアドバイスとどうやら高度に対応する体質のおかげで軽い高山病になった程度で、目標の標高3980mの村パンボチェまで行き着く事が出来ました。タンボチェのゴンパ(チベット仏教寺院)の前に立ち四方を6000m級の山々に囲まれて遥かエベレストを見たときは途中の辛さも忘れ感動したものです。チョットその気になって次は5400mのゴーキョピークかななんて思ったりもしました。

 1週間の山の生活を終え、大晦日にカトマンズの街に下りて、ニューイヤーを迎えるため美しいサリーで着飾ったインド系の人々に混じり(私達は1週間もお風呂に入っていないのに)インド映画のようなショー付のディナーをし、部屋のTVで各国のニューイヤーの瞬間を見ながら「あけましておめでとう」と言い合い無事新年を迎えた事を確認し、久しぶりのベットで眠りにつきました。

 新年を迎え、昨日のディナーの時に友人の知人でネパールに小学校を建設するボランティアの為に滞在している方に「ちょうど今カトマンズの街で“キャラバン”と言うフランス・ネパールの合作映画を上映しているのでチベットの人の伝統的な服装を知る参考になるよ」と薦められ出かけてみました。

 映画館は広い敷地の王宮の近く(繁華街から歩いて20分位)にあり、絵で描かれた“キャラバン”の看板と上映時間が書かれた掲示物で映画館と分りました。新年の休みの家族連れ、グループなどが集まっている中、私達は言葉もわからないままチケット売場に並び「キャラバン5枚」とチケットを求め(一人35ルピー 約70円です)、書かれている文字も読めず、「私達のは水色なのに黄色のチケットを持っている人もいる」などと不安に思いながら、鉄格子で閉切られている映画館の外で待っていると、前回の上映が終わり入口が開いたとたん思い思いの場所で待っていた人達が一斉に1列に前の人にピタリくっつくぐらいに並び中に入っていったのです。

 建物は講堂の様で売店とトイレがあり、中は縦と横に1本ずつの通路で4ブロックに分れていました。私達は日本の感覚で真中の通路の席に座ったのですが、ネパールの人達は一番後の列の端から我先に詰めて座っていきました。不思議に思いながら始まるのを待っていましたが、黄色と水色の違いは最後まで分りませんでした。

 上映前に予告編が2本あり両方ともインド映画のでした。上映が始まり席の疑問が解けました。字幕は英語でスクリーンの下側に出たのですが、上映が始まってもドンドン人が入ってきて案内係の人が立ったままアッチコッチと席を指図しているのです。傾斜も無いので人影に邪魔され、落ち着かず、字幕も見えないのです。やっぱり特等席は後の端という事でした。

 “キャラバン”の内容は厳しいヒマラヤで暮す人々の愛(親子・男と女)、世代、自然との戦いなどが描かれ、NHKドキュメントの“塩の道”に似ているそうです。出演者には“セブン・イヤーズ・イン・チベット”の俳優さんが4人位いました。

 ところが、上映後1時間位経った所で内容に関係なく突然明かりが着き休憩に入ったのです。何事と思っていると通路の真中で売り始めたコーラとポップコーンを皆買いに来るのです。また突然暗くなり続きが何事も無かったように始まりました。

 この映画のクライマックスの塩を運ぶ途中でヤク(牛の様な動物でおとなしく可愛い顔をした働き者です。私達もお世話になりました。)が湖に落ちるシーンでは観客から悲鳴が上がり、無事通過した時には歓声も上がり、拍手もおこり、写真を撮っている人もいました。

 映画はしっかり見ることは出来ませんでしたが、70円で存分に楽しめ、ネパールの人達には映画って本当に楽しい娯楽だと感じた一時でした。何だか出てきた後も楽しかったです。

 その日の深夜、ハイジャックがあったばかりの厳戒体制の空港を後にし帰国の途に着きました。

 また訪れてみたい国ネパールでした。

 

 

 

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