世界映画紀行 - World Express Vol.7

タイ・カンチャナブリを歩く

1999.12.23〜26

Report from Kwai River and Bangkok

文と写真:丸山 哲也

Text & Photo by Tetsuya Maruyama

(2000/01/10)

 


「世界映画紀行 - World Express」の第7回は、再びタイからのレポート! 先日、タイを訪れた丸山氏が、あの「戦場にかける橋」の舞台となったクワイ川と、バンコクの映画事情をレポートしてくれました。


 

 下の写真を御覧下さい。何の変哲もない、ド田舎の鉄橋のように見える、この橋。これこそ、あの名作「戦場にかける橋」で一躍、世界的に有名になった、クワイ川鉄橋なのであります。                         

 映画を御覧になった方は、「あれ?あの橋は爆弾で吹っ飛ばされたんじゃなかった?」とお思いになるでしょうが、さにあらず。実際に作られた橋は二本あり、一つは木製、もう一つが現存しているこの鉄橋です。(ちなみに、木製の橋は爆弾ではなく、連合軍の爆撃で破壊されたのだとか。この鉄橋も、一度は破壊されたのを、復旧して使用しているのだそうです。)

 タイからビルマ(現ミャンマー)まで415Hにわたるこの鉄道は1942年9月16日に建設が開始され、開通したのが翌年の12月25日。専門家の見積もりでは5年かかると言われていたのを、わずか15ヶ月の突貫工事で完成させたわけです。

 考えてみればこれは相当無茶な話で、この工事は結果的に膨大な数の犠牲を出しました。約3万人の連合軍捕虜と10万人を超えるアジア人労働者のうち、連合軍捕虜約1万6千人、アジア人労働者の殆ど全部が疫病や虐待で死亡したと言われています。そのため、この鉄道には泰緬鉄道という名の他にもう一つ、「死の鉄道」(DEATH RAILWAY)とも呼ばれるようになったのです。

 現在、泰緬鉄道は一部分のみ(カンチャナブリ〜ナムトク間)だけがタイ国有鉄道によって運行されており、観光の目玉になっています。(ただし、観光に来るのは欧米人が殆どで日本人はあまり見かけませんでした。)

 

 クワイ(現地ではクウェーと発音します)川鉄橋からほど近い、カンチャナブリ市街の一角に、連合軍捕虜の共同墓地があります。その中の墓標の一つにこんな言葉が刻まれていました。

 「秋の枯れ葉のように時は流れ去っても、私達の心の中であなたは生き続け、決して死ぬことはない」

 墓の主は、23才のイギリス人兵士でした。

 

 話はガラリと変わりますが、バンコクって本当にハリウッド映画の上陸が早い! 「トイ・ストーリー2」、「ワールド・イズ・ノット・イナフ」、「ダブル・ジョパディー」、「ボウフィンガー」等が既に上映中で、あの「グリーンマイル」も近日公開予定だそうです(でも何故かポスターは『NOW SHOWING』の所に貼ってある) 。

 現在、日本で公開中の「ワイルド・ワイルド・ウェスト」や「母の眠り」、未公開の「インスティンクト」、「インスペクター・ガジェット」(これ傑作!)はとっくにヴィデオ化されてます。この差は一体、どこから来るのでしょうか?

 最後に、現地在住の友人から聞いた話を。

 フランシス・フォード・コッポラ畢生の大作「地獄の黙示録」の中で最も有名なシークェンスと言えば「ワルキューレの騎行」を流しながらの爆撃シーン。あれはタイの海岸(場所は失念)で撮影されたらしいのですが、その時の残骸が今も放置されたままになっているのだそうです。

 その後のコッポラの不運は、もしかしたら、撮影の後始末をして行かなかったことに怒った仏様のバチかも知れませんね。

 

 

 

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