世界映画紀行 - World Express Vol.8

アイルランド映画事情、私の主観 

Movies in IRELAND

文と写真:メグミ

Text & Photo by Megumi

(2000/04/10)

 


昨年、世界各地からホットな話題をお届けしてきた「世界映画紀行/World Express」。長らくお休みさせていただきましたが、ついに2000年第2弾として、このアイルランド編から再スタートを切らせていただきます。今回のアイルランド編は昨年秋頃からダブリン在住のメグミさんにお願いしていたもので、ここについに実現したものです。昨今のUK映画の発展とともに、さまざまなかたちでクローズアップされてきたアイルランドの映画事情ルポをぜひどうぞ!


 アイルランドの映画事情と言っても、ダブリンに住んでいるのでこちら周辺のことしか分かりませんので、もしかしたら地方の方では当てはまらないことがあるかもしれません。あくまでも私の主観です。

 

 映画館は大きくて綺麗なところから古いところもあります。日本で馴染みののバージンシネマUCIシネマがあります。だいたい一ケ所の映画館で10作くらい上映しています。(日本と変わらないですね。)新聞上に広告をだしている映画館の数を数えたらダブリンにだいたい13館はあります。IFCシネマというところでは海外の名作が常に上映されていて、日本の映画では黒沢明の「七人の侍」などが上映されました。日本の映画館とアイルランド(ダブリン)の映画館で違うところといったら、こっちではアルコール類が映画館内で販売されていない…ということです。日本だとビールを飲みながら映画を観ることが出来ますが、こっちでは出来ません。

 日本ではいつも現金で買っていたので、良く知りませんが、こっちでは電話でチケットを取ることが出来ます。この際もちろんクレジットカード払いになるので、クレジットカードが必要です。クレジットカードでチケットを予約した場合には映画館内にあるチケット発行機械に行ってクレジットカードを機械に入れると、チケットと領収書が発行されます。シートの指定も出来るし並ばなくてすむので楽です。

 こちらでもアメリカ映画は人気です。今話題の映画は…

The Beach (Leonardo Dicaprio) ←2月11日から上映開始。

 そのほかは以下の通り…。

The End of the Affair (Ralph Fiennes / Julianne Moore / Stephen Rea)←2月11日から上映開始

American Beauty (Kevin Spacey)

Angela's Ashes

 Angela's Ashesはリムリック出身の著者が子どもの頃の貧しい暮らしをブラックユーモアを交えながらたんたんと語った著書が映画化されたものです。日本でももう上映されていると思います。

 アメリカ映画と言えば、ブルース・ウィルス、シルべスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーが経営する『プラネットハリウッド』がダブリン市内のスティーブンスグリーンショッピングセンターの横にあります。

 

 さて、私が好きなアイルランド映画と言えば、やはりRoddy Doyleの原作が映画化されたものですね。(思いっきり私の主観です。)

*1− The Commitments

*2− The Snapper

The Van(これはまだ観てません。)

 「ザ・コミットメンツ(*1)」「スナッパー(*2)」は大傑作です。何度観ても面白いです。ブラックコメディーですね。

 彼の著書は大好きでほとんど読みました。 Roddy Doyleはダブリン出身の作家で、昔は教師をしていました。コミットメンツが出版された時も英語と地理を子供達に教えていたそうです。一度、『Finber's Hotel』というアイルランド出身の有名な著者7人がそれぞれ1章を書いて全部で7章から構成されている本のサイン会に行った時に彼に会いましたが、とても無口な人という印象でした。他の作家がいろいろ話し掛けてくるのに対して、彼の場合は彼からは一言も発しなかったです。彼の作品を順にあげると、The Commitments , The Snapper, The Van, Paddy Clark Ha Ha Ha, The Woman Who Walked into Doors, Finber's Hotel(上にもあげたように1章だけ…ただ7人の作家がそれぞれテーマとキーワードのみを与えられて好き勝手に書いた章、7章から成ることと、どの作家がどの章を書いたかは秘密なので、よっぽどこれら7人の作家の癖を知っていないと、どの章を誰が書いたか判明するのは難しいです), A Star called Henryですが、その他に演劇の台本としてBrownbreadとWarがあります。どちらもコメディだったと思います。彼の作品はブラックコメディで面白おかしく、時には皮肉っているところが好きです。彼の作品の良さの一つは会話の部分は全て実際に話されているように綴られているところです。例えば、I'll tell you.を"I'll tell yeh" 書いているなど、ダブリンアクセントが本から聞こえてくる様です。ブッカー賞を受賞した作品のPaddy Clark Ha Ha Haは19ヶ国語に翻訳されているそうです。

 

 そのほか、アイルランド映画で感動するものと言えば…

My Left food(「マイ・レフト・フット」)

In the name of father(「父への祈り」)

…でしょうか。

 

 日本では近頃どうだか分かりませんが、こちらでは映画の始まる前に映画の対象年齢を表示します。暴力の多い映画、スラングが多く使われている映画、子どもが問題なく観れる映画など。

 「G」は小さい子供が観れる映画。(例:Toy story2) 「PG」は小さい子供から大人までだれが観ても大丈夫な映画の内容。(例:ディズニー映画, The World is not enough)

「12」(数字が○で囲まれている)は12歳以上の人対象。「15」は15歳以上が対象。(例:The Beach, Angela's Ashes)「18」は18歳以上。映画の内容に暴力の多いもの、セックスシーンのあるもの、スラングの使われているもの。(例:American Beauty)

 ほかに映画館で特に日本と違うところと言えば…チケットは全て席指定なので、チケットが購入できるということは座れるということです。日本にある映画館のように同じ映画場で7ケ所くらい別の館があり別々の映画が上映されています。自分の観たい映画館に入ると入り口付近に係員が待機していて、チケットに記されている席番を確認して、席まで案内してくれます。懐中電灯を持っていて、席を懐中電灯の光で照らして、”ここ”と”ここ”と言う感じで案内してくれます。日本のように立ち見は存在しません。あと食べた後のポップコーンのゴミやジュースの紙コップ等はすべて席の下周辺に置きっぱなしです…というのは映画が終わる度にクリーナーが会場を回って掃除してくれるからです。

 

 とりあえず、今回はこのへんで。


アイルランド映画事情ルポ、いかがでしたか? 今回のルポをお楽しみいただけましたら、メグミさんの主宰する英語=日本語両方で構成される楽しいホームページ、mm2 Home Pageもご覧ください。

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