世界映画紀行 - World Express Vol.14

香港映画レポート(後編)

Movie Report from Hong Kong Part 2

文と写真:Kaori

Text & Photo by Kaori

(2002/09/09)

 


香港在住のKaoriさんによる香港映画レポートの後編は、日本ではちょっと考えられない芸能人残酷物語から…。


香港芸能人事情

 さて、普段香港映画にあまり馴染みがなく「少林サッカー」をご覧になった方の中には、あまりに直接的に肉体的欠陥や肉体的特徴を笑いにしたり、あからさまに攻撃したりするのに驚かれた方もいるのでは?と思います。これは普段からそうで、香港人(大陸の中国人もですが)は、差別的用語を平気で口にしますし、肉体的特徴をそのまま人のあだ名にしてしまうのもしょっちゅうで、外国人の目からすると情け容赦ない感じがします。最も必ずしも悪意を持って言っているというわけでもなく、親しみを込めている、という場合もあるのがこれまた不思議。これは、マスコミのゴシップ欄の報道にもあてはまり、たとえば、ジュリア・ロバーツのことは「大口姐」とか「大口ジュリア」とよく書かれています。「大口姐電撃結婚!」みたいに堂々と。天下のジュリア・ロバーツをつかまえて。当のご本人は当然何も知らないんでしょうけれど。最近では、離婚申請をしたジェニファー・ロペスの夫のことを「光頭老公」(ハゲ夫)と称していて笑いました。

 

 ハリウッドスターでさえ、このような扱いですから香港人芸能人はもっと悲惨な目にあっています。とにかく香港のマスコミは週刊誌だけでなく、普通の新聞でさえ、部数を売るためには手段を選ばず、一面に飛び降り自殺の死体や遺棄された赤ん坊の死体など、日本人にとっては信じられないようなえぐい写真をガンガン載せる体質なので、週刊誌などはもうすさまじい世界です。女優はちょっと太ったりすると、ノースリーブの脇部分のどアップ写真を掲載され「太って皺が出ている」と書かれるわ(その部分はやせていても皺があるという気がするのだけど)、マンションを買えば(もちろんマンション名も住所も全部出してしまうという恐ろしさ)、そこの風水がどうのこうのと野次られるわ。例えば,最近私が見て驚いたのは2つ。マギー・チャンが新しくマンションを購入したらしいのですが、その改築写真を堂々と載せているのです。いったいどうやって忍びこんで写真をとったの?その週刊誌によれば、そこは「トニー・レオンとの愛の巣」なんだそうな(笑)。もう1つはセシリア・チャン(「星願」の主役の子ですね)家のゴミあさり。彼女が捨てたゴミ袋を開けて、ご丁寧に残飯まで全部並べて写真を載せていました(きたねー)。「誕生日前夜の彼女のゴミ」とかいって。よけーなお世話すぎ。もっともさらに驚いたのは、中華鍋が真っ二つに割れてゴミの中にあったことですが(笑。それにしてもそんなの見ている私が一番低レベルとも言える.)。誰と誰がくっついて熱愛、なんていう日本の週刊誌がとても清く正しく思えてしまうえげつなさです。しかし、一般庶民はいつもこのように生活をさらされている芸能人に逆に親しみを感じているようです。ちょっと不思議ですが。

 

 では、ここで地元情報(笑)らしく、現在のプロマイド写真の売上げによる香港人気芸能人ベスト5を。日本ではいまだに、レスリー・チャンとか大人気ですが、地元ではやっぱり違うようです。

 

1位 TWINS

今一番人気がある女の子2人組。この夏は初主演映画もヒット。香港人アイドルというより、ちょっと日本人の女の子みたいな感じで、普通感がウケているよう。ちなみにTWINSとかいって、二人は双子ではないそうです。

 

2位 F4

日本の漫画「花より男子」をドラマ化した台湾のテレビドラマで、F4の4人を演じていた男の子4人がそのままF4としてデビュー。ドラマはアジアの中華圏で大ヒットし、今やF4はSMAPとモーニング娘を合わせたぐらいのもんのすごい人気。ちなみに私もドラマを見てすっかりはまってしまっています(笑)。原作をご存知の方のために、向かって左から、西門、道明寺、美作、花沢類役です。

 

3位 SHINE

これはわたくし、全然知りません。TWINSの男の子版らしーけど、可愛さにかけるような気が.

 

4位 エディソン・チャン

日本でも映画が公開されていると思いますが、どうしてこの人がそんな人気あるのか私にはわかりません..

 

5位 ミリアム・ヨン

主演映画が次から次へと大ヒット。もはや香港ラブコメ女王の座をサミー・チェンから奪い取ったと噂のミリアム・ヨン。香港らしくドタバタおてんば娘的コメディ演技で人気者になったある意味香港王道な女の子アイドル(いつまで持つのやら)。

 

 最後に映画に話戻り、香港では、映画が「映画好きな人のもののため」というよりは、ありとあらゆる人にとってまだまだ娯楽なのだな、という風に感じます。どんなにマニアックと思われるアート系映画でも、若いカップルにしか人気がないのでは?というハリウッドの大作を見に行っても、観客の人種は実に雑多で、老若男女ありとあらゆる人たちがいます。ウォン・カーワイの映画に小学生の孫と見に来てゲラゲラ笑っているおばあちゃんとか、「ウインドトーカーズ」を見に来ている中年の夫婦や、近所のおじちゃんおばちゃん団体なんて日本ではなかなかない現象なのでは?と思ってしまいます。街中でも地下鉄やバスの車体に、映画の大きな広告がされるのは当たり前だし、大きなポスターを地下鉄駅構内やバス停で見たりする機会は日本より多く(その代わりテレビや雑誌での宣伝は日本より極端に少ないのが不思議)、日常生活に映画が入り込んでいる、という感覚を受けます。最終上映時間が遅いために、会社が終わってから友達や家族や恋人と映画というのもごくごく当たり前のことで、日本のように若い女性が圧倒的に多い、ということがありません。だいたいどんな映画を見に行っても男女比は半々だし、観客が雑多であるということは、それだけたくさんの人が映画が好きだ、ということになるわけで、日本人の私から見るとなんとなくうらやましい状況に見えます。日本でももっと平日遅い時間に最終時間を延ばしたり、入場料金を安くすればこのような状況に変わるのでしょうか?

 

 

おわり


 my lazz life in Hong Kong

 http://home.netvigator.com/~kaorii/

香港在住ならではのホットな香港情報に触れられるKaoriさんのサイト。ただし、そこに登場するのは香港映画だけではありません。香港から世界を見渡すユニークな視点が魅力です。

 

 

 

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