アジアの映画祭・四都物語
釜山〜福岡〜クアラルンプール〜東京

The Festivals for Asian Films
Pusan - Fukuoka - Kuala Lumpur - Tokyo


毎年開催されるたびに嬉々として駆けつける東京国際映画祭の会場で、僕は毎年どうしても首をかしげてしまう事があります。「東京国際映画祭はアジア最大の映画祭」という、毎度お馴染みのアナウンスです。言っちゃ悪いが段取りも悪いしロクなゲストも来ない、そんな東京国際映画祭がアジア最大なんて…それってホントにホントなの? そんな僕の疑問に答えてくれるレポートがこれです。神宮寺誠さんが伝えてくれました。


 

 行ってみました第10回釜山国際映画祭

 Report of The 10th Pusan International Film Festival

 神宮寺 誠

 by Makoto Jinguji

 

 

2005年10月6日から14日まで、お隣韓国の釜山にて「釜山国際映画祭」が開催されました。最近始まった印象のあるこの映画祭ですが、今年で10回目。今回、初めてこの映画祭に行ってまいりました。

海外旅行のついでに映画を観た経験はある私ですが、映画を観るために海外に行くのは初めて。実は私自身は日本で公開される予定がないある韓国映画がこの映画祭で上映されると聞き、それを観るために行ってまいりました。ですから映画祭全体を楽しんできたわけではないのですが、私の知ってる範囲で皆さんにレポさせていただきます。

まず最初にお断りしておきますが、このレポに登場する釜山、および今回の映画祭についての情報は、「プサンナビ」という釜山観光案内サイトの助けなくてはいけなかったと言うことです。釜山に関するありとあらゆる情報がこのサイトにはあり、今回の旅の成功はこの「プサンナビ」なくして有り得ませんでした。(さすがに風俗店情報みたいなものはなかったですが)

 

http://www.pusannavi.com/

(プサンナビのURLです)

 

<チケット入手>

まずは皆さんが気になるのはチケットでしょう。

「外国人が行っても当日券でしょ?当日券なんて売り切れでしょ?」そう思うのが自然です。しかし釜山国際映画祭の場合、チケットをインターネット上でクレジットカードにより予約、決済購入し、現地に行ってチケットの現物と引き換えるだけ、ということが可能なのです。だから日本にいながらにしてチケットの手配が出来ます。

こう書くと簡単そうですが、チケット予約のページは韓国語か英語しかない、しかも自分のパソコンのOS上の言語設定を一旦韓国語にしなければならない(WINDOWSの場合)、などの苦労はあります。

しかし先ほど書きました「プサンナビ」にそのやり方が丁寧に記されますのでそれを参考にしていただければ出来ます。(ちなみに東京国際映画祭のHPを見ていただき、「ENGLISH」にしてチケットの部分を見て下さい。チケットぴあでの購入が実に不親切なくらいに簡単に記されており、後は会場で購入できます、みたいなことしか書いてありません。これでは外国に住む方が、東京国際映画祭に行ってみよう!と思っても事前にチケットを入手することは100%無理です。)

そういっても見たい作品を選定する公式HPは韓国語か英語ですので、どちらかが多少はわからないとちょっとつらいかも?ですね。

ちなみに映画祭のチケット代は通常の上映は5000w(約550円)です。韓国の映画の大人料金は通常6500w(約715円)ですから、通常の25%引きぐらいになりますので韓国でも安い料金ですね。

 

<上映会場>

釜山の繁華街は大きく分けて「南浦洞(ナンポドン)」「西面(ソミョン)」「海雲台(ヘウンデ)」の3箇所。

ナンポドンは有名な国際市場やチャガルチ市場があり、昔ながらの繁華街。東京で言うならそれこそ上野と渋谷、それに築地まで一緒になったようなごった煮の街、ソミョンは地下鉄の交差点であり、東京でいうなら新宿みたいなところかな。ヘウンデはリゾートビーチで高級ホテルやショッピングセンターが立ち並び、東京でいうと・・・というよりハワイのワイキキビーチを小さくした感じです。

 

映画祭はナンポドンの劇場街の「釜山劇場1〜8」「デヨンシネマ1〜7」、ヘウンデの「MEGABOX 1〜10」「プリモスシシネマ1〜10」の2つの会場、4つの映画館(シネコン)で行われました。

ナンポドンの劇場街は新宿の歌舞伎町の映画街、大阪ミナミの道頓堀の劇場街に雰囲気がそっくりな昔ながらの劇場街ですが、最近はソミョンのやヘウンデに出来た新しいシネコンに客を奪われつつあるとか。シネコンの攻勢により昔ながらの劇場が寂れつつあるのは日本も韓国も同じようです。

あとオープニングとクロージングセレモニー&上映はヨット競技場野外上映場で行われました。

 

<PIFF広場>

そのナンポドンにはPIFF広場と呼ばれる広場があります。

普段は映画を見に来た方を目当てにしたイカ焼き(日本のイカ焼きと違って乾物のイカをあぶったもの)などの屋台が出ているそうですが、映画祭期間中はスポンサーのブースなどが立ち並ぶため、私が行った時はこれらの屋台は出ていなかったですね。

その代わり、映画祭期間中はここに特設ステージが作られ、映画祭にやってきたスター達がやってきて舞台挨拶を行うというイベントが無料で行われるのです。このイベントに参加したのは、日本からは妻夫木聡、行定勲監督、V6の森田剛、井ノ原快彦、SABU監督、またジャッキー・チェン、ビビアン・スー、カン・ドンウォンなどですね。

またここには著名な映画人の手形があり、日本人では北野武や今村昌平の手形があるそうです。(今回それも楽しみだったのですが、特設ステージが設けられたため、見ることは出来ませんでした)

そして今回、あの鈴木清順監督もこの手形が加わることになり、この特設ステージでそのイベントが行われたそうです。

ちなみにこの中で私が見たのは妻夫木聡、行定勲監督。妻夫木は韓国でも大変な人気でした。韓国ではこういったイベント時に出演者の写真撮影はOKなので皆さんカメラやムービーを構えて大盛況でしたね。

 

<上映作品>

何しろ私はある特定の映画が目的で行ったので、有名どころの映画はあまりチェックしなかったのですが、日本からは「春の雪」「リンダリンダリンダ」「星になった少年」「オペレッタ狸御殿」「ホールドアップダウン」、過去の作品の回顧上映としては「浮雲」や「狂った果実」が上映されていました。

海外からの注目作品は開幕作品としてホウ・シャオシェン監督の「Three times」、閉幕作品はファン・ビョングッ監督の「ナエ キュロン ウォンジョンキ(私の結婚遠征記)」他にはマジット・マジディ(イラン)監督の「The Willow tree」などなど。あとはペ・ヨンジュンの「四月の雪」もありました。

上映作品には上映後に「GUEST VISIT」と称して舞台挨拶&質疑応答つき。(すべての上映に「GUEST VISIT」が付くわけではありませんが)妻夫木の舞台挨拶時に観客が写真撮影のために前に押し寄せたため、急遽妻夫木は挨拶だけして帰った、などという一幕もありましたが。(ペ・ヨンジュンもこの「GUEST VISIT」に参加の予定だったのですが、警備上の都合から直前に中止になりました。日本のおばちゃんパワーを警戒したのでしょうか?)

質疑応答は日本での質疑応答より活発な感じで盛り上がりを感じましたね。先のPIFF広場でのイベントといい、この質疑応答といい釜山の皆さんはただ映画を見るだけでなく、積極的に映画祭に参加しようとしている感じがいたしました。

 

<関連グッズ>

公式カタログ(上映全作品紹介)は写真左。価格は10000W(約1100円)。その隣の小さい本は上映時間だけを書いたもの。こちらは無料。

公式グッズのキーホルダー。下の3つはすべて2000W(約220円)。お土産として手ごろなお値段。

上にある皮製の携帯ストラップは6000W(約660円)とちょっと高め。

あとはTシャツ(数種類)〜15000W(約1650円)、携帯ストラップ〜2000W(約220円)。

Tシャツを買おうと思ったのですが、欲しいデザインのものが売り切れやサイズがSのみしか残っていなかったりして買うのを諦めました。Tシャツに関しては他のグッズより数が少なくて映画祭の早い期間に売り切れになる可能性があるようです。

グッズ売り場やチケット売り場、インフォメーションにいる若い人たちはほとんどが大学生によるボランティアだそうです。日本語の多少わかるスタッフもいて「日本人です(イルポンイン)」というと日本語のわかるスタッフが対応してくれるという親切ぶりでしたね。

今年の「春の雪」のように日本より先に封切られるケースもあり、映画のついでに韓国料理を楽しんだり、国際市場でのあやしげなブランド品をひやかすショッピングもよし、というわけで2泊3日でも充分に楽しめる映画祭です。来年もぜひ行ってみたいと思わせる釜山国際映画祭でしたね。

 


 神宮寺 誠

 日本映画について造詣が深い神宮寺さんに今回釜山映画祭レポートを頂戴できるとは、僕としては予想外の驚きでした。

 神宮寺表参道映画館

 http://www.j-kinema.com/


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