田口トモロヲ初監督作品「アイデン&ティティ」
 エキストラ撮影参加レポート(前編・川崎編)

 Being on the Set as an Extra : Part 1

 野辺 香(kai)  2003 / 06 / 02 

 by Kaori Nobe (kai)

 

 今年4月の当サイト4周年記念企画「DAY FOR NIGHT Live !」連続対談の相手の一人としてご参加していただいた野辺 香さんが、先日田口トモロヲ初監督作品「アイデン&ティティ」にエキストラとして撮影参加しました。

 野辺さんは都合2回にわたってエキストラ出演。その時のもようを記事として綴ってくださったのがこの文章です。今回はその前編として、川崎での撮影のもようを語っていただきましょう。


田口トモロヲ氏が初メガホンをとる『アイデン&ティティ』に、エキストラとして参加してきました。みうらじゅん氏原作のバンドもの。脚本は『GO』『ピンポン』でもお馴染み、クドカンこと宮藤官九郎氏です。バンドのメンバーはVo.中村獅童さん、G.峯田和伸さん、Drs.マギーさん。そ・し・て!B.が大森南朋くんなんですよこれがッ!製作会社の方からエキストラ募集の告知を頂き、この役者、このスタッフの現場が見られるなんて!と大喜びで行って参りました。

以下ストーリー展開にかなり触れています。映画を観る迄内容を知りたくないと言う方は御注意を!

 

この日はライヴシーンの撮影。案内メールには「11月のシーンなので、冬の装いでいらしてください」とありました。当日は結構肌寒かったので助かった。雨降りだったのがちょっと残念でしたが…と言うのも、クラブチッタ外での撮影もあったのです。

入場前に受付の列を作っていたら、通りの向かいにレールが敷かれ、カメラがセッティング。何すんのかなーと思っていると…お、トモロヲ監督だ!黒タートルのシャツに迷彩パンツの何気ない格好がキマッています。そのうちスタッフの方から「行列の撮影をしますのでそのままでいてください。お友達と話を

していても構いません、ただし、カメラは見ないでください!」との指示が。ライヴに来たお客さんの行列シーンのようです。雨なので光の具合も変わるし、傘を差しているひとも多いので当初とは違う画になったんだろうな。しかしそこは臨機応変。、スタッフの方はテキパキと動き、滞りなく撮影終了。

 

ライヴフロアへ入場。ステージ上には既に楽器がセッティングされていて、ベースは上手側。当然そっちに流れます(笑)。

エキストラ層はさまざま。みうらさん&トモロヲさんファンのブロンソンズ組(笑)、マギーファンの活動休止中ジョビジョバ組、大森くん組、麻生久美子さん組、そしてGOING STEADY組。G.中島役の峯田くんは、先日突然解散してファンを泣かせたバンド・GOING STEADYのフロントマンだったのです。解散後の初仕事?と言うこともあり注目が集まっている様子。今回のエキストラ募集にも、ファンから「GOING STEADYの曲はやるの?」「GOING STEADYの他のメンバーが来たりするの?」と言う問い合わせが多数あったそうです。勿論ゴイステ絡みはありませんでしたが、久々に彼の歌が聴けることを期待してやってきたひとも多かった様子。

フロアにまんべんなくお客がいるように見せる為、ひととひとの間を空けるようにとの指示があり、皆の立ち位置がひと通り落ち着いたところで、トモロヲ監督がご挨拶。ほどなく役者さんたちが出て来ました。おお〜、バンドマンだ〜。この日は獅童くんは欠席、3ピースでの演奏シーンです。Vo.は峯田くんが兼任。

 

撮影に入る前に、スタッフからシーンの説明。「イベントの中の1バンドとしてSPEED WAYが出演しています。皆さんは、既に何バンドか観ていることになります。他のバンドのファンもいる、SPEED WAY目当てで来ているひともいる。全然SPEED WAYのことを知らなかったひとも、これからバンドが演奏する曲に引き込まれます。そんな感じで演奏を聴いて、演奏終了後は『感動した!』と言う拍手をお願いします。この演奏によって、主人公の中島と麻生久美子さん演じるヒロインとの愛が深まると言う非常に重要なシーンです。皆さんの演技がとても大事ですので、宜しくお願いします!」。

曲はバラード、「オトナの悩み、コドモの涙」と言うタイトル。これがいい曲なんですよ〜。何度も聴いたしすっかり憶えてしまいました。歌詞もじわっと来ます。誰が書いたんだろう? サントラも期待出来そう。そしてこれ、ベースソロがあるんですよ!ふははははは!最初聴いた時は「ベースソロがある!」「ベースソロだ!」と一部で妙な盛り上がりを見せました(笑)

まずはバンドの演奏と、それを観ている観客をフロアの後ろから撮影。フロアの上手側にカメラがセッティングされます。フロアに“TAGUCHI”の名前入りディレクターズチェアーが置かれていましたが、トモロヲ監督は全然座らず、あちこちに指示を出していました。セッティング中は麻生久美子さんがそこに座ってました(笑)

テープを流しながら、バンドのメンバーが演奏(の演技)。ヴォーカルマイクの音量は下げ目に設定されていましたが、峯田くんが「唄っていいんですか?いいんですね?」としっかり唄ってくれてました。ファンのひとは嬉しかったんじゃないかな。

 

フロアからの撮影を数回行ったあと、カメラをステージ後方に移動。そう、セッティングにかなりの時間が割かれるのです。

カメラだけでなく照明等の位置も変えるので、その土台もスタッフが手で運んで組みたてなおしたり。1つのシーンを様々なカットアングルから撮る為、同じ作業を何度も繰り返します。

「映画の撮影って地味でしょう〜、これからどんどん、もっと地味になります(笑)」とトモロヲ監督。

確かに地味です。忍耐力もいります。大変な仕事だなあと思いました。セッティング間は皆それぞれ好きなことをしておいていいし、準備が出来る迄その場を離れてもいいのですが、自分の位置は憶えておいてくださいとのこと。そりゃそうだ、画が繋がらなくなりますわな。待ち時間の間、後ろにいた私たちは比較的のんびり座っていたのですが、ヴォーカル前のブロックにいたひとたちには細かい指示が出されています。なんだろう?そのブロックはトロさんチームと呼ばれていました。トロって何?ベニシオ・デル・トロのトロ?(違う)どうやらその位置に麻生久美子さんが混ざる様子。いいな〜。麻生さんが立った時の、周りのひとの身長のバランスを考えていたようです。撮影監督の方がカメラを覗きながら「そこの女の子はそっち、あなたは

あっち」と位置をじっくり決めていました。トロさんチームは「目線はヴォーカルのひとに向けておいてください」と指定があったとのこと。うわあ、大変だ〜。私後ろでよかった、大森くん観放題だぜ!(笑)

でもなんでトロ?(しつこい)

その間ステージ上ではSPEED WAYのメンバーがジャムり中(笑)全員バンド経験者なので、実際に演奏も出来るわけです。小さい音を出して3人でしょっちゅうジャムってくれて、退屈しませんでした。

 

とはいいつつ、セッティングにはかなり時間がかかります。なるべく場所を動かないようにしつつ、何か面白いものはないかな〜ときょろきょろ。あ、麻生久美子さんだ!うわ細い、うわ綺麗、うわ白い!そして思っていたよりずっと小柄な方でした。華奢なイメージはそのまんま。ジーンズに白のTシャツ(ウエストの部分が片方だけ絞ってある)と言う何気ない格好なのに、なんだかキラキラしています。じょ、女優だ〜。その麻生

さんをフロアに実際に立たせて、しばらくチェック。近くにいたひとは緊張しただろうな〜。

その間私たちは怪しく大森くんウオッチング。「ひっこんだよ!」「出てきたよ!」「ベース弾いてるよ!」「水を飲んだよ!」……観察日記状態です。やっぱり集中度が違う、と言うか、カットがかかるとすぐリラックス出来ていると言うか、この切り替えは流石だなあと思いました。映画初出演の峯田くんを気遣う素振りもところどころ見せていたし、峯田くんも結構頼りにしている様子(笑)「大森さんには×××の方法を教えて

貰ってます」だって。……思いっきり下ネタなんで書けません。いや、いいチームワークなんですね…そういうことにしておきますよ…(笑)

 

ジャムが一段落すると、今度はメンバーのお喋りタイム。「峯田くんのサービストークがありまーす」「マギーのサービスコントがありまーす」と言う感じ。撮影に慣れないエキストラが待ち時間退屈しないように、といろいろ気遣ってくれたのかな。峯田くんの、山形のお母さん話が笑えた。カレーがまずいと

か弁当がまずいとかのネタに皆ひとしきり笑ったあと、マギーが場を盛り上げます。

マギー、場を掴むのが巧い!明らかにその後、フロアのノリがよくなったと思います。スタッフからは「観客の皆さんを撮っていますからね、演技してくださいね!映ってますよ!音楽に合わせて身体を揺らしたりしてみてください。棒立ちはやめてください」と結構エキストラにも要求がとびます。そうなると慣れないエキストラは堅くなっちゃったりもする訳で。これがマギーのサービスコント(笑)で一気にほぐれた印象がありま

した。流石だー。

スタッフの方もエキストラの緊張をほぐそうと言う配慮か、「どこから来たの?」「誰のファン?」と聞いてまわったりしていました。北九州から大森くんの為に来た方が後ろにいて(すごい!)、スタッフの方が、ステージに向かって「大森さんのファンですか!北九州から来たんですか!」と大きな声で言ってくださったのですが、大森くん本人には聞こえていなかったようです(苦笑)

 

バンドメンバーの背中越しに観客を撮るカットでは、メンバーの後ろ姿にも細かい配慮が。大森くんはピタTなので、動くと背中のすそ部分がだんだん上がってくるのです。それをスタッフの方がひっぱり下げてたり。あと長時間の撮影なので(雨も降ってたし)立てていた髪が落ちてきます。峯田くんのアフロもしぼみがち(笑)これもスタッフががーっと持ち上げなおしたり。その間おとなしくして、されるがままになっていたおふたりはなんだかかわいらしかったです(笑)

そんなこんなでステージ側からの撮影も終了。腕組みしてモニターを覗き込んでいたトモロヲ監督がにっこり頷きました。いい画が撮れたかな?その後拍手の音を録ると言うことで、大盛り上がりのもの、じわじわと感動が拡がった雰囲気のもの、と何パターンかの拍手をしたあと、前4列のエキストラ以外は終了となりました。後ろにいた私たちはそこでさよーなら。ロビーに置かれていたおみやげ(記念品・SPEED WAYのバンドTシャツ、白地にメンバー4人がシルク印刷されたもの。黒と青の2種類から選べました)を貰って帰りました。面白かった〜。

 

 

次回、後編・横浜編につづく

 


 

野辺さんご本人の日記兼備忘録

I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE

http://www.enpitu.ne.jp/usr4/43818/

 

野辺さんが参加する大森南朋のファン・サイト

Nao Omori unofficial site [Joyride]

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/2333/

 

 

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